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トラックの運転や積載作業でよく耳にする「オーバーハング」。実はこの部分の理解不足が、接触や積載違反などのトラブルにつながることがあります。
オーバーハングとは、車両のタイヤ中心から外側に突き出た前後の部分を指し、走行時の旋回や荷台の取り回しに大きく関係します。
本記事では、オーバーハングの基礎知識からサイズ別の目安、実際の事故事例、注意すべきポイントまで詳しく解説します。安全運転や積載管理に役立つ内容をまとめていますので、トラックドライバーの方や中古トラック購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
オーバーハングは、トラックや自動車の設計・運転・荷積みにおいて重要な要素です。まずはその定義と役割、そしてなぜ注意が必要なのかを詳しく見ていきましょう。
オーバーハングとは、車両のタイヤ(前輪・後輪)の中心から前後に突き出た部分を指します。前方の部分は「フロントオーバーハング」、後方の部分は「リアオーバーハング」と呼ばれます。
例えば、車両全長が6mでホイールベース(前後のタイヤ間の距離)が4mの場合、残りの2mが前後のオーバーハング部分という計算になります。オーバーハングの長さは、車両の安定性や取り回し性能に大きく影響します。
トラックでは、オーバーハング部分にライト・バンパー・ラダー・ゲートリフターなどが設置されています。特にリアオーバーハングは荷台の長さと関係が深く、荷物の積載量や車両バランスに影響します。
オーバーハングが長いほど荷台が広く取れる一方で、旋回時に後部が大きく振れる「オーバーハング振り」による接触事故が起きやすくなります。そのため、荷台設計では積載効率と安全性の両立が求められます。
道路運送車両の保安基準では、オーバーハングは「車両の前端および後端のいずれも、全長の3分の1を超えてはならない」と定められています。
これは、前後どちらのオーバーハングにも適用されるルールです。上記の制限を超えると、車検に通らない・道路運行が認められないなどの問題が発生します。
中古トラックを購入する際には、車検証の「車両全長」だけではオーバーハングが規定内か判断できません。必ず ホイールベース(前後タイヤの中心間距離)と車両全長のバランス を確認し、オーバーハングが「全長の3分の1以内」に収まっているかをチェックしましょう。
車両サイズによって、オーバーハングの長さは大きく異なります。ここでは、代表的なトラックサイズ別に目安を紹介します。
小型トラックの場合、車両全長は約4.5〜5.5m、ホイールベースは約2.5〜3.0m程度です。この場合、前後のオーバーハングはそれぞれ約1.0〜1.2mが一般的な目安となります。
街中や狭い現場でも扱いやすく、積載効率とのバランスが取れているのが特徴です。ただし、リアゲート付き車両やキャリアカーなどは、オーバーハングが1.3mを超えることもあります。
中型トラックは、全長約7〜8m・ホイールベース約4〜4.5mが標準です。リアオーバーハングは約1.5〜2.0mに達することが多く、旋回時に後部が大きく振れる傾向があります。
特に工事現場や物流倉庫では、バックでの接触や壁への衝突事故が起こりやすいため、ドライバーは後方感覚を常に意識する必要があります。
大型トラックでは全長約12m、ホイールベース約6〜7mとなり、オーバーハングは前後ともに約2.5mが一般的です。
積載効率を高めるために荷台が長く取られますが、後方の振れ幅が非常に大きくなります。交差点での左折やバック時には、後方の歩行者・障害物との距離をしっかり確認しなければなりません。
オーバーハングに関する事故は、走行中だけでなく、積み下ろし時やバック走行中にも発生します。ここでは代表的な3つのケースを紹介します。
代表的なのが、左折時にリアオーバーハングが歩道や車両、壁に接触する事故です。後方の振り出しを誤って判断すると事故が起きます。
リアオーバーハングが長いトラックでは、バック時にシャッターやフェンスなどに荷台をぶつけるケースが多発しています。後方カメラが搭載されていない古い車両では、死角が生まれやすく、特に夜間の荷下ろし時に注意が必要です。
オーバーハング部分に荷物がはみ出したまま走ると、後続車が距離感を誤ったり、接触事故のリスクが一気に高くなったりすることもあります。こうした危険があるため、道路交通法では積載物のはみ出し量が厳しく定められています。
積載物が車両の後端から1mを超えると、赤旗やランプの装着が義務付けられています(道路交通法施行令第22条)。違反すると罰金や減点の対象になるため、積載時の長さ確認は必須です。
安全運転や車両保全のためには、オーバーハングの理解と対策が欠かせません。ここでは具体的な防止策を紹介します。
現場環境に対して車両サイズが大きすぎる場合、オーバーハングによる接触リスクが高まります。狭い道路や住宅地では小型トラック、広い現場や長距離輸送では中・大型トラックなど、用途に応じた車両選択が重要です。
左折やバックの際には、オーバーハングの振れ幅を常に意識することが大切です。最新モデルではリアカメラ・センサーが標準装備されているものも多いため、中古トラックを選ぶ際には安全装備の有無も確認ポイントになります。
オーバーハングは、トラックの構造や走行安全に深く関わる要素です。長すぎると車両の安定性や取り回しに影響し、短すぎても積載効率が悪化します。
中古トラックを選ぶ際は、車両全長だけでなくホイールベースや荷台寸法など、オーバーハングに関わる要素を総合的に確認することが重要です。オーバーハングの長さは走行安定性や積載効率に直結するため、現場環境や用途に合わせて適切なサイズを選びましょう。
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