平ボディトラックの特徴や種類を解説!寸法やサイズも紹介
平ボディトラックとは、屋根や壁のないフラットな荷台を持つトラックのことで、建材・機械・パレット積載物などの運搬に幅広く使われています。荷物の形状や長さに柔軟に対応でき、荷台の側面にあるアオリの開閉によって積み下ろし作業もスムーズです。
平ボディトラックは、荷台の高さによって「超低床型」「全低床型」「高床型」の3タイプに分類され、用途や運搬距離に応じた選択が可能です。本記事では、平ボディトラックの特徴や種類、メリット・デメリット、中古購入時の注意点までわかりやすく解説します。
目次
平ボディトラックの特徴
平ボディトラックは、屋根や側壁がなく開放的な荷台構造が最大の特徴です。荷物の形状やサイズを選ばず、積載や荷下ろしの自由度が高いため、多様な運搬業務で活躍します。
以下、構造・積載性・サイズ・床面高など、平ボディならではの特徴を4つの観点から解説します。
フラットで開放的な荷台構造
平ボディトラックの荷台は屋根や壁がないため、長尺物や大型機材などの運搬に適しており、汎用性が高いのが特徴です。
荷台周囲に設けられた「アオリ(開閉式の柵)」を倒すことで、側面からの積み下ろし作業も容易に行えるため、フォークリフトやクレーンを使った作業にも対応できます。
荷台は板張りまたは鉄製・アルミ製が多く、荷滑り防止のための加工が施されているケースもあります。
積載物に合わせて選べる柔軟な対応力
平ボディトラックは、荷台が開放型で壁や屋根がないため、荷物の形状やサイズにとらわれず柔軟に積載できる構造です。長尺物や背の高い荷物、段積みされたパレット商品なども対応可能で、フォークリフトやクレーンを使った積み込みもスムーズに行えます。
また、荷物の固定方法も多様で、ロープ・ラッシングベルト・スタンション(支柱)などを使い分けて安全性を確保できます。荷台にアオリがあることで、走行中の荷崩れや飛散を防ぐ機能も備えています。
特装車と違って汎用性が高く、現場や運搬品に応じて自在に対応できることが、平ボディトラックの大きな強みです。
さまざまな用途で活用できる高い汎用性
平ボディトラックは、その構造のシンプルさと荷台の開放性により、業種を問わず幅広いシーンで活躍している汎用トラックです。建築現場では鉄骨や足場材などの長尺資材を積載するケースが多く、フォークリフトやクレーンを使った積み込みにも対応できます。
また、引っ越し業務では家具・家電・大型荷物の積載に重宝され、アオリを開けて横から荷物を積み下ろすことも可能です。農業分野では苗箱や収穫物の輸送、製造業では機械や設備の運搬など、多彩な用途に対応できるのが平ボディの強み。荷物の形状やサイズに左右されない柔軟性が、さまざまな用途での利用を支えています。
アオリ(柵)の素材バリエーションが豊富
荷台のアオリ部分には以下の素材が使用されており、それぞれに特徴があります。
アルミ製 | 軽量で開閉がスムーズ。錆びにくく見た目も良好 |
スチール製 | 頑丈で耐久性が高いが、錆びやすく重たい |
ステンレス製 | 錆びにくく高耐久、価格は高め |
木製 | 荷物に優しく軽量、現在は使用例が減少傾向 |
使用環境や荷物の種類によって、適したアオリ素材を選ぶことで安全性と扱いやすさが向上します。
平ボディトラックの種類
平ボディトラックは、荷台の高さや構造の違いによって「超低床型」「全低床型」「高床型」の3タイプに分類されます。
どのタイプを選ぶかによって、積み下ろしのしやすさや走行時の安定性、運搬に適した荷物の種類が異なるため、作業内容や現場環境に合わせた選択が重要です。
超低床型
超低床型は、荷台の床面地上高が約780〜785mm前後と、最も地面に近い高さで設計されたタイプです。リアタイヤが小径ダブルタイヤ仕様で、車体全体が低く抑えられており、人力での積み下ろし作業に適しています。
主に*重量物や大型荷物を人力で頻繁に積み降ろしする業種(引っ越し業・設備配送など)に選ばれる傾向が強く、荷台の低さによる作業効率の向上が期待できます。
高さ制限のある現場や立体駐車場へのアクセスにも強い点が特徴です。ただし、荷台が低い分、地上からのクリアランスが少なく、段差や悪路にはやや不向きとされます。
全低床型
全低床型は、前後のタイヤサイズが同一で、荷台の地上高が約840〜970mm程度の標準的な設計です。超低床型と高床型の中間にあたるタイプで、汎用性が高く、あらゆる荷物・用途に対応できるバランス型です。
フォークリフトによる積み込み、パレット品の輸送、人力作業のいずれにも対応でき、都市部の配送・建材運搬・機械設備の搬送など幅広い現場で採用されています。
荷台高が程よく確保されているため、路面段差や悪路でも底打ちのリスクが少なく、走行安定性にも優れるのがポイントです。
高床型
高床型は、荷台の地上高が約925〜1,105mm程度と最も高い構造で、リアタイヤに大径のダブルタイヤを採用していることが一般的です。床面が高い分、走行時の衝撃が荷台に伝わりにくく、高速走行や長距離運搬、重量物輸送に適したタイプです。
大型建材や鉄骨など、重量のある荷物をクレーンやフォークリフトで積み込む場合にも向いています。ただし、荷台が高いため、人力での積み下ろしは負担が大きく、作業効率が落ちる可能性もあります。導入前には、作業内容と積載物の種類を明確にした上で、適切な仕様を選ぶことが重要です。
平ボディトラックのメリット
平ボディトラックは、あらゆる運搬ニーズに対応できる万能性を持った車両です。荷台が開放型であるため、積載の自由度が高く、さまざまな業種で活用されています。
以下、平ボディトラックのメリットを「汎用性の高さ」「積み下ろし効率」「導入コストの低さ」に焦点を当てて解説します。
幅広い荷物に対応できる汎用性の高さ
平ボディトラック最大のメリットは、荷物の形状やサイズに縛られない汎用性の高さです。屋根や壁がないことで、長尺物・背の高い荷物・パレット積載品・機械設備など、さまざまな物を積載できます。
また、アオリを倒すことで側面からも積み下ろしができるため、フォークリフトやクレーンによる積載作業との相性も良好です。農業・建設・運送・製造・引っ越しなど、業界を問わず導入されている点からも、多用途であることが伺えます。
特装車のように用途が限定されず、車両1台で複数業務に対応できる点が、企業の運用効率向上に貢献する要因ともいえるでしょう。
積み下ろし作業の効率が高い
荷台がフラットかつ開放型である平ボディトラックは、積み下ろしのしやすさにおいて他の車種よりも優れていると言えます。アオリを開ければ三方から荷台にアクセスできるため、作業者の動線が短くなり、短時間で作業を完了することが可能です。
パレットや大型資材など、重量物の積み込みにはフォークリフト・クレーンとの併用が効果的。さらに、床面高を用途に応じて選べば、手積み作業時の負担軽減にもつながります。
作業効率の高さは、人件費や作業時間の削減にも直結するため、物流現場の生産性向上において大きなアドバンテージとなります。
他の架装トラックと比べて導入コストが低い
平ボディは、バン型やウイング車、冷凍車などの特装車と比較して、構造がシンプルなぶん導入コストを抑えやすいという特徴があります。架装費用や特別な設備を必要としないため、車両価格が安価に抑えられ、運用開始までのリードタイムも短縮できます。
また、構造が簡素であるぶん、メンテナンス費用も比較的安価に抑えられる点もメリットです。中古市場でも在庫数が多く、選択肢に困らないのも平ボディの強みといえます。
これからトラックを導入しようと考える企業や個人事業主にとって、コストパフォーマンスに優れた車両として検討する価値の高い選択肢です。
平ボディトラックのデメリット
平ボディトラックは汎用性やコスト面で優れている反面、荷物の安全性や天候への対策、保管性などにおいては課題もあります。
ここでは、導入前に理解しておくべき3つのデメリット「荷崩れリスク」「天候の影響」「セキュリティ面の不安」について解説します。
荷物が動きやすく、荷崩れリスクがある
平ボディトラックは荷台が開放されている構造のため、壁や屋根による荷物の保持力が弱く、走行中に荷崩れが起きやすい傾向があります。特に、段差やカーブ、急ブレーキ時には荷物の横滑りや転倒が発生しやすく、運送中の破損や事故のリスクが高まります。
平ボディトラックで運搬する際には、ロープ・ラッシングベルト・ストッパーなどでの確実な荷締めが不可欠です。荷物の形状や重量に応じて適切な固定器具を使わないと、荷台からの落下事故や第三者への被害につながる恐れもあります。
積載自由度の高さが魅力である一方で、荷締めや固定のノウハウが問われる車両でもあります。
雨や風などの天候に弱い
屋根や壁のない平ボディトラックは、荷物が外気に常にさらされる構造のため、雨・風・雪などの天候条件に大きく左右されます。輸送する荷物によっては、濡れることで品質が劣化したり、破損や腐敗の原因になったりするリスクがあります。
対策としては、防水シート・ブルーシート・幌などで荷物を覆うことが一般的です。しかし、完全な防水性は保証されません。風による巻き上げや、積雪による荷重も対策が必要です。
特に食品・衣料品・電子機器など湿気や気温変化に弱い荷物を扱う際には、密閉型の車両を選んだ方が安心です。
荷物の盗難や紛失リスクがある
平ボディトラックの構造上、荷物が外から見えやすく、盗難や紛失のリスクが高まるというセキュリティ上のデメリットも存在します。運搬中に休憩や荷下ろしで一時的に目を離した際、誰でも荷台にアクセスできる状態になりがちです。
特に高価な機械部品やブランド品、転売価値の高い商品を運ぶ場合には、防犯対策を徹底する必要があります。荷物カバーやロック付きベルトなどを活用し、運転者自身の防犯意識を高めることが重要です。
平ボディの開放性は利便性でもありますが、「見せない・触れさせない」工夫をしなければ事故やトラブルに発展しかねません。
平ボディトラックを運転する際の注意点
平ボディトラックは操作性が高く多用途に対応できる反面、安全運転や積載管理には注意が必要です。特に荷崩れや法令違反につながるミスは大きなリスクとなるため、運転前後の確認や日常的なメンテナンスが欠かせません。以下、平ボディトラックの運転時・積載時や法令面での注意点を解説します。
積載時は荷崩れ・固定忘れに注意
平ボディは荷台が開放されているため、荷物の積み方や固定の仕方によって安全性が大きく左右されます。アオリを開いたままの走行や、ロープ・ラッシング不足による荷崩れは、重大事故につながる恐れがあります。
とくにパレット積みや不定形な荷物は、固定ベルト・スタンション・滑り止めシートなどの活用が不可欠です。荷物の偏りがあると重心がずれてハンドル操作に影響することもあるため、積載は重い物を下・中央に置くなどバランスを意識する必要があります。
積み込み後には走行前チェックを徹底し、「見た目ではなく実際の強度」で荷締めを判断する習慣を持ちましょう。
運転時は死角と荷物の動きに注意
平ボディトラックは荷台が高く、ミラーでは死角になりやすい範囲が多く存在します。特に後方や左後輪付近は、車両の構造上見落としやすく、歩行者や自転車との接触事故が起きやすいポイントです。
また、荷物が固定不足の状態で走行すると、カーブやブレーキ時に荷物がズレて操縦に影響を与えることがあります。道路の凹凸や横風など、車両全体が不安定になる場面でも、荷台に重い荷物が積まれていると揺れが増幅されやすくなります。
走行中は常に荷台の状態を意識し、異音や荷物の動きを感じたらすぐに停止・確認する慎重さが求められます。
法令・点検は積載量と車両状態に注意
道路交通法では、最大積載量を超えた運転は過積載違反となり、罰則・違反点数・企業責任の対象になります。とくに中古車両の場合、仕様変更後に最大積載量が変わっていることもあるため、車検証での確認は必須です。
また、アオリや床板の劣化・損傷があると、荷物の保持力が落ちて思わぬ荷崩れにつながる可能性があります。日常点検では、タイヤ空気圧やブレーキだけでなく、荷台の状態や固定具の破損にも目を配りましょう。
法令遵守と安全管理は、ドライバー個人の責任に加え、事業者としての信頼維持にも直結します。
中古平ボディトラックを選ぶ際のポイント
中古の平ボディトラックは、新車と比較して導入コストを抑えやすく、中小企業や個人事業主にとって魅力的な選択肢です。ただし、外見のきれいさだけで判断すると、購入後に不具合が出るリスクもあります。
以下、購入前に確認すべき3つのポイント「荷台の状態」「アオリや固定装置」「積載量と使用用途」について解説します。
荷台の床面・フレームの状態を確認
中古平ボディトラックの最重要チェック項目のひとつが、荷台そのものの状態です。特に、荷台のフロア部分にサビや腐食、割れ、歪みがないかを念入りに確認しましょう。
鉄製の床板は強度が高い一方、使用年数によっては腐食が進行している可能性があります。腐食が進行していると滑りやすくなり、荷物が動くので確認した方が良いでしょう。アルミ床は軽量ですが、重機などの繰り返し使用でへこみや損傷が出やすいです。
荷台下のフレームや溶接箇所にも注意が必要で、修復歴のある車両は積載中に不具合を起こすリスクもあります。現物確認が難しい場合でも、車両情報に床面材質や補修履歴の記載があるかを確認すると安心です。
アオリや荷物固定装置の動作も重要
荷台を囲むアオリ(開閉式の柵)は、積み下ろし作業や荷物の保持において重要な役割を果たします。中古車の場合、ヒンジ部分の摩耗やロック機構の緩み、錆びつきによる開閉不良などが起こりやすく、状態をしっかり確認することが必要です。
また、ロープフックやスタンション(支柱)、ラッシングレールなどの荷物固定用装備が機能しているかも見落とせないポイントです。これらが不備のある車両では、荷物の固定が不十分となり、走行中の荷崩れにつながる可能性があります。
外装だけでなく、「荷を安全に運べるか」という機能面のチェックが、安全かつ長期的な運用には欠かせません。
積載量と使用目的のバランスを確認
中古トラックを選ぶ際には、車両のスペックと自社の業務内容が合っているかを必ず確認しましょう。最大積載量、荷台サイズ、車両総重量などが用途に合致していないと、使い勝手が悪くなり、結局無駄な投資になる可能性があります。
たとえば、建材や機械部品の輸送であれば4tクラス、都市部の軽配送であれば2tクラスが適しているなど、業務によって求められる仕様は異なります。
加えて、積載量の割に車両が大きすぎると燃費が悪くなり、維持コストがかさむという懸念も。事前に「どんな荷物を・どれくらいの距離で・どの頻度で運ぶか」を整理し、それにマッチしたトラックを選ぶことが重要です。
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