古いトラックの定義とは
古いトラックと一言に行っても、具体的にどれくらいの年式なのかなど、基準が曖昧に感じるかもしれません。一般的には一定の走行距離を超えたトラックや排ガス規制を満たさない中古トラックを「古いトラック」と定義していることが多いです。
一定の走行距離を超えたトラック
トラックはサイズによって走行距離の目安があります。
2トン未満の小型トラック:約20万km
2トン以上6.5トン未満の中型トラック:約40万~50万km
6.5トン以上の大型トラック:約70万km
例えば、2トン未満の小型トラックで20万キロ走っていると、古いトラックに分類されるイメージです。さらに、30〜40万キロ走っていると、国内のトラック買取業者は一斉に手を引く傾向があります。
排ガス規制を満たさない中古トラック
トラックには排ガス規制(自動車排出ガス規制)が定められています。
排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)、浮遊粒子状物質(PM)といった大気汚染物質は、私たちの健康に悪影響を与えるため、一定の基準値や設備を満たすトラックだけが走行を許されるというものです。
国効率である「自動車Nox・PM法」や「大気汚染防止法」、さらに各自治体でも個別の条例が出ているところもあります。
ガソリン車、ディーゼル車ともに、「平成21年規制」が最新の排ガス規制の法律です。つまり平成21年(2009年)より以前に製造された中古トラックは、排ガス規制に引っかかる可能性が高いトラックということになります。
排ガス規制を満たさない中古トラックは、対象地域での走行はできませんし、中古市場での売買もできません。そのため、適合するための設備をつけるか、もしくは規制のない海外の中古市場に売却するのが一般的です。
古いトラックでも高く売れる理由
古いトラックでも高値で売れるケースは珍しくありません。国内よりよりむしろ、海外市場や国内の趣味で乗っているマニアの人気が高いです。それぞれについて解説します。

国内の運送会社
前述した走行距離の目安前後だったり、年式的に古くても排ガス規制に引っ掛からないようなトラックであれば、国内の運送会社にもニーズがあります。
海外需要
いすゞ、三菱ふそう、日野、日産、トヨタなど、日本のメーカーのトラックはそもそも海外で高い人気があります。
国としてはニュージーランド、フィリピン、ミャンマー、スリランカ、ロシア、パプアニューギニア、アフリカ諸国など、世界中に買い手がいます。
日本では売れないようなトラックでも、日本メーカーであれば海外では買い手がつき、場合によっては日本よりも高値で売れるケースもあります!
国内のマニア需要
年式が古くても、走行距離が短く綺麗な状態のトラックは、古いトラックを自家用として乗る国内のマニアに高値で売れる可能性があります。
例えば車種でいうと三菱ふそうの7代目キャンター(通称:ジェネレーション・キャンター、ジェネキャン)や日野のレンジャー4Dなど。
エンジンでいうと良い音が鳴るたV8を搭載しているトラックはデコトラ界で特に人気です。これらは走行距離さえ短ければ30、40年前の古いトラックでも売れる可能性があります。
ディーゼルエンジン人気
トルクが太いディーゼルエンジンは坂道や悪路でも走れ、重い荷物にも強く、燃費も良いため高値で売れる可能性が高いです。
環境への影響を考慮して国内だと将来的に規制される見通しのため、国内市場では中古車両に高音がつきにくい傾向がありますが、これも海外向けであればまだまだ高値に期待できます。
日本製トラックの海外人気について
走行距離があまりに長かったり、排ガス規制に引っかかるため車検切れになっているような古いトラックでも、海外では特定の年式、型式であれば国内での状況に関係なく売れるケースが多いです。例えばいすゞのフォワードやギガはフィリピンの市場で非常に人気があります。
当社で買取させていただいた高年式のトラック
また、エンジンさえかかればどんな状態の古いトラックでも売れるようなミャンマー、スリランカなどの国もあります。
一方、国によっては日本より厳しい基準が設けられているケースもあります。フィリピンやニュージーランドでは錆びたトラックは車検が通らないと言われています。
気をつけたい点として、海外の場合、政権を握った政党や就任した首長によって、突然政策や法律が変わることがあります。先週までは高音がついていた古いトラックが突然輸出できなくなくなる、という怖さがあるのも海外市場の特徴です。
古いトラック売却時の注意点
古いトラックを売却する際にはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。注意点を3つ紹介します。
所有者本人が売却する
売却手続きの際には必ず所有者本人の必要書類確認が行われます。
本人以外が勝手に売却することはできません。法的な所有者が所在不明だったり本人の同意が取れないような状況でも例外はないので、必ず所有者本人が売却を行いましょう。第三者が売却を行う場合は本人からの委任状が必要です。
売却タイミングを考慮
国内で古いトラックを売却する際に売却タイミングを考慮することで、高値がつきやすくなることがあります。モデルチェンジを行った後は旧モデルは値下がりしやすい傾向にあるため、現時点で最新モデルのトラックを所有しており、売却を検討している場合は新モデルが発表される前に積極的に売却を検討しましょう。
また海外に古いトラックを売却する場合、動きさえすれば海外のどこかしらで売れる可能性があるので、特に年式等のタイムリミットはありません。
ただし、海外向けに売却する場合に気をつけないといけないのが、1〜2週間の短期間で急激な値崩れを起こすケースがある点。これは現地政府の急な政策変更や法改正によって、これまで売れていたものがいきなり売れなくなったりすることが理由です。だから、見積もりをとった金額で納得がいったら、できるだけ早く売却をしましょう。間があくと再見積もりになり、買取価格が下がる可能性があります。
売却前の修理や洗浄は不要!
「古いトラックを売る前に、修理や洗浄などやっておいた方が高く売れるのでは?」とお考えの人も多いのではないでしょうか。
いいえ、古いトラックはそのまま査定に出して大丈夫です!修理や洗浄などは不要です。
例えば警告灯が故障している古いトラックを、直した方が高く売れるのは間違いありません。しかし、修理代に10万円かかった場合、直す前と比べて10万円高く売れるかというとその可能性は低いです。
また、普段からメンテナンスや洗車をしっかり行っているトラックであれば状態が良いので高値がつきやすいですが、そうではなく売る直前に付け焼き刃で処置をしても買取業者には簡単に見分けがつきます。せっかく時間と多少の費用をかけても、買取価格に影響はほぼ出ません。
古いトラックは売る前には修理や洗浄等をせずにそのまま見積もり依頼をしましょう。
古いトラックの買取プロセス
古いトラックの買取は必要書類が揃っていれば早くて2〜3日、長くて1〜2週間ほどで成約します。
買取プロセスは次のような流れです。
①必要書類を揃える
業者から求められた際にスムーズに書類を提出できれば、それだけ買取のスピードが上がります。以下の書類はあらかじめ用意しておきましょう。
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証明書
- 印鑑登録証明書
- 譲渡証明書
- 委任状
- リサイクル券
- 商業登記簿謄本(全部事項証明書)もしくは住民票
- 自動車納税証明書
- 車検の際の記録簿
必要書類について、詳しくは以下の記事もあわせてご参照ください。
トラック買取の流れとは?必要書類や高額買取を狙うための事前準備も解説
②買取ウェブサイトで必要な情報を入力し写真を送る
買取業者が用意しているウェブサイト上に必要情報を記入し車検証の写真をアップロードします。また、この際にトラックの写真もアップロードします。
③下見積もりの金額に納得がいったら本見積もりを依頼
業者からきた下見積もりの金額に納得がいけば、本見積もりとなります。業者が現地を訪問しトラック実物の査定を行います。
④業者がやってきて本見積もり
業者が現地でトラック実物を査定し正式な買取金額を決定します。もし複数業者に本見積もりを依頼する場合は同じ日時にまとめて行うのが効率が良いです。必要書類は必ず手元に揃えておき、成約となった場合にすぐ手続きできるようにしておきましょう。
⑤金額に納得がいけば成約
買取業者の提示金額に納得がいけば、成約となります。
⑥必要書類を渡し入金確認
必要書類を渡し、入金スケジュールを確認します。業者によってはその場でネットバンキングで振り込んでくれることも。一般的には引き渡し後3~5日程度が入金目安です。必ず予定日には着金しているか確認しましょう。
買取業者による古いトラックの査定ポイント
買取業者視点では古いトラックのどこを査定ポイントとして重視しているのでしょうか。査定前に対策できる部分とできない部分がありますが、可能な部分は対応できるように抑えておきましょう。
外装と内装
外装や内装が綺麗な方が良い査定になりやすいですが、特に影響が大きいのはフレームの錆やデフの錆です。また、穴、凹みなども当然、マイナスポイントになります。
ただし、これらを査定前に直すとなると費用がかかってしまい売却しても赤字になることがあるので、普段のメンテナンスからしっかりしておくことが大切です。実は、ドアの軽微な凹みや傷はほとんど査定に影響はありません。
内装に関しては社内の臭いがないかチェックしましょう。もし査定に出すまで時間があれば社内の水拭きやマットの洗浄や消臭をするのは有効です。
足回りの状態
タイヤやホイール、サスペンションの状態も査定のポイントとなります。汚れや劣化、錆がないか等を見られますので、こちらも査定前に何か対策するというより、普段からメンテナンスをしっかりしておきましょう。
走行距離
小型や中型に関しては100万キロの走行距離を超えているかどうかが一つの目安となり、これを超えていると国内では買い手が非常につきにくくなります。大型の場合は100万キロを超えていても買い手はつくものの、やはり走行距離が短ければ短いほど査定内容はよくなります。
エンジンの状態
エンジンやミッションなどのパーツは修理が高額になるため、査定においても重点的に見られます。だからといって、売却前に修理をする必要はありませんが、普段からメンテナンスをしっかりしておくことで、高値で売れる期待度は高まります。メンテナンス履歴やオイル漏れ等の状態もチェックされるので、何か修理やメンテナンスの履歴がわかるような書類があれば手元に用意しておきましょう。
純正パーツがついているか
純正パーツで揃えられている古いトラックは査定内容が良い傾向があります。サードパーティー製のパーツを取り付けている場合は、可能な範囲で純正パーツに取り替えると良いです。また、付属品や箱、説明書なども揃っている方が査定に好影響が出ます。
説明書関連を揃える
車両購入時に受け取った説明書、架装トラックの場合は架装部分の説明書など、トラックに関わる説明書類は揃えられる限り揃えておきましょう。
古いトラックも動けば売れる!
年式が古いし走行距離が長いから売却が難しいのではと考えているトラックでも、動きさえすれば海外市場や国内のマニア向けなどのニーズがあります。まずは買取業者に見積もり依頼をしてみましょう。
トラックUPでは古いトラックの買取を行なっています。トラックの買取業者を探している方はぜひお気軽にお見積もり依頼をいただければ幸いです。