廃車買取とは
廃車買取とは車検切れ車、事故車、水没車、不動車などの、通常の中古車買取では難しい車を買い取ってもらうことです。通常の買取とは違い、法的な廃車手続きというものが必要となります。
ただし、車検切れ車のようにトラックとして走行可能なものに関しては、売主としては通常の中古トラック売却と売却の流れは変わりません。
廃車買取の対象となるトラック
基本的に動けば廃車ではありませんが、公道を走らないトラック用に法律上の廃車手続きというものがあり、さらにスクラップにする場合は文字通り廃車となります。どのようなトラックが廃車買取の対象になるのか紹介します。
車検切れのトラック
エンジンがかかり動くものの車検が切れている場合、買取業者の買取対象となります。トラックは業者が買取後、業者側で一時抹消登録という法律上の廃車手続きをして、国内のオークションや海外市場を対象に買い手を探すという流れです。
エンジンがかからず走行不能なトラック
残念ながらエンジンがかからず走行不能なトラックは、スクラップにして部品取りをするしかないケースが多いです。その場合は所有者が解体業者に持ちこみ、文字通り廃車として料金を払って処分してもらいます。
大事故などによる損傷があるトラック
動くけれども大きな損傷があるトラックも、たとえ動いたとしても車体そのままでの買取が難しい場合があります。部品取り用に使うと結論が出た場合はやはり廃車となるため、解体業者に持ちこんでお金を払ってスクラップにしてもらいます。
そもそもトラックの廃車手続きとは
トラック廃車の法的な手続きには2種類あり、前述した車検切れトラックのように走行可能な状態で車体が残っているもの、走行不能だったり修復不能な損傷があるためスクラップにするもので必要な廃車手続きが違います。それぞれ紹介します。

一時抹消登録
一時抹消登録とは、公道を走る自動車としての登録を一時的に抹消し、再登録するまでの間廃車扱いにする手続きです。トラック保有者が積極的に一時抹消登録をするケースとしては
- 長期的な不在(海外移住や出張、入院など)
- 当分使う予定はないが譲渡等を予定しており手元には置いておきたい場合
- 盗難等により所在が不明の場合
などが考えられます。一時抹消登録をすることで、その年の自動車税や自動車重量税、自賠責保険の既に支払った分から、自動車税や自賠責保険の還付を受けることができます。
トラック買取においては、買い取った側の業者がオークション等に出品するにあたって一時抹消登録を行います。買い手が決まるまで、自動車税や自動車重量税、自賠責保険の支払いを発生させないことが目的です。
永久抹消登録
永久抹消登録とは、二度と公道を走らない自動車の登録情報を完全に抹消し、まさに廃車にする手続きです。
対象となる車は、走行不能の故障車や事故車、さらに手元にはない状態の災害等で回収不能の車、盗難車などが挙げられます。
永久抹消登録をすると、その年の自動車税や自動車重量税、自賠責保険の既に支払った分から、自動車税や自動車重量税、自賠責保険の還付を受けることができます。
廃車買取のメリット
廃車手続きを自分でやる手間を省ける
まだ走れるが車検切れ等のトラックを業者に廃車買取する場合、廃車手続き(一時抹消登録)を自分で行う必要はありません。所有者が業者に移るため、廃車手続きを行うのは業者側となり手間を省けます。
キャッシュが手に入る
廃車買取に成約すれば、使用しないトラックをキャッシュに変えることができると同時に、還付金が交付されます。還付金については次の項で詳しく説明します。
廃車時の還付金
自動車税や自動車重量税は毎年5月末、自賠責保険は車検のタイミングでその年度の分を支払います。そのため、年度の途中でトラックを廃車にした場合は、廃車した以降の残りの期間の分を余分に払っていることになるため、還付金を受け取ることができます。3種類の還付金について紹介します。
自動車税
自動車税は毎年4月1日時点で車を所有している人が払う税金で、年度途中で車を廃車にした場合に還付を受けることができます。一時抹消登録でも永久抹消登録でも、手続きをすれば自動的に適用されます。
還付をされるのは廃車手続きをした翌月から3月までの自動車税を月割計算した金額です。手続き後、1~2か月後に『還付通知書』が送られてきて、還付となります。
自動車重量税
自動車重量税は新車購入時に3年分、車検時には2年分をまとめて納めています。こちらも残存期間の月割計算で還付額を割り出します。
自動車重量税に関して還付の対象となるのは永久抹消登録をしたトラックだけです。まずはスクラップ工場で解体を行い、証明書を持って永久抹消登録の手続きを行い、さらに、自動車重量税の還付手続きを行うという流れになります。
自賠責保険
自賠責保険は保険会社に解約申請をした日付から、月割で返金金額が決まります。もちろん廃車にした証明書が必要ですが、返金の基準日が証明書に記載された日付ではないので、証明書を手に入れたらすぐにでも保険会社に連絡しましょう。手続きが完了すると1週間〜10日程度で返金されます。
自分で廃車手続き(一時抹消登録)をした場合と、廃車買取をしてもらった時の還付金の流れの違い
廃車買取のメリットの項で「廃車手続きを自分でやる手間を省ける」と紹介しました。自分で廃車手続き(一時抹消登録)を行っても、買取ってもらった業者側で廃車手続き(一時抹消登録)を行っても、還付金のお金の流れは実は同じです。
理由としては、自動車税は納税者が税金を先に多く払った分を納税者自身に直接返金するため、誰が一時抹消登録の事務的手続きを行ったかは関係ないからです。
つまり、業者に任せた方が手間がかからず、さらに還付される金額は同じという結果になります。
廃車買取したトラックの活用方法
一時抹消登録で廃車にしたトラックは、国内の中古市場で買い手が見つかれば仲介業者が車両を再登録し、国内で走らせることができます。とはいえ、トラックの中には非常に走行距離が長かったり、現行の排ガス規制に適合しないくらい古い型式だったりするため、国内だと買い手が見つからないケースも珍しくありません。
そのような状態のトラックであればむしろ海外市場がメインの売り先となります。走りさえすれば状態は気にしない国もありますし、法整備されている国でも日本とは重視する基準が違うことも多いため、どこかは売り先が見つかります。
一方スクラップにして永久抹消登録済みのトラックは、部品取りに使われます。
廃車トラック買取の注意点
自動車税の還付を多く受けたいなら廃車手続きは早めに
自動車税の還付額は4月からカウントし月単位で決まります。つまり、廃車手続きが4月に近ければ近い方が、還付額が多くなります。数ヶ月保留しても査定額が変わる可能性は低いですし還付額は安くなるので、トラックを手放すことをを決心した時点ですぐに売却に動くのがおすすめです。
一時抹消登録だと自動車重量税は還付されない
一時抹消登録での廃車だと、自動車重量税は還付されません。自動車重量税が還付されるのは、永久抹消登録だけです。「還付額を当てにしていたのに」とならないように、しっかり覚えておきましょう。
自賠責保険の解約手続きを忘れない
自動車税は買取業者が手続きを行うことで還付されますが、自賠責保険は自分で保険会社に申請しないと解約されず還付も当然されません。そして、前述したように、解約の基準日は廃車の証明書に記載された日付ではなく保険会社に連絡した日なので、連絡を忘れないようにしましょう。解約の手続きには廃車の証明書が必要なので、買取業者には手続き完了したらすぐ連絡するようにお願いしておく、手続き予定日を聞いておくことも大切です。
ローン会社が所有者だと廃車にできない
また、ローンを支払い中のトラックは、所有者がローン会社になっているためそのままだと廃車にできません。車検証や登録事項等証明書を確認しローン会社の名義になっていることを確認したら、売却に向けて動く前にローン会社に連絡して所有権解除の手続きをしてもらう必要があります。
廃車トラックの買取は専門業者へ
廃車レベルの古いトラックでも、走りさえすれば中古市場でニーズはあります。つまり動く限りは自分から廃車にしようと諦める必要はなく、あくまで普通のトラック買取として買取業者に相談をすれば大丈夫です。法的な枠組みでの廃車手続きは業者の方で行うため、売り手側で特段の手続きも発生しません。まずは気軽に買取業者に今の状況を伝えてみましょう。
グルーウェーブでは、日本全国のトラックの買取を行なっています。
どのような状態のトラックでも積極的に買取を行っているため、まずはお気軽にお問い合わせください。